マインドマップ試験勉強術(記憶力編その4)

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こんにちは。
ブザン公認マインドマップインストラクターの近藤です。

 

前回を振り返りましょう。
「試験に必要な記憶力をあげるにはTVコマーシャルに学べ」と述べました。
その要点は、記憶の度合いは体験の強度と体験の反復数の積、でした。

 

体験の反復数が多ければ、それに比例して記憶の度合いも高くなる。
繰り返しの効果が筋トレで見て取れるように、記憶も同様に効果が出る。
だから、復習することが大切な訳です。

 

体験の強度が高ければ、それに比例してもちろん記憶の度合いも高くなる。
体験の度合いを高めるには、同時に視覚や聴覚や身体感覚から情報を入れる。
そうするために一番手っ取り早いのがアウトプットすることでした。

 

アウトプットの典型が手元にある問題集を解くことです。
また、模擬試験に参加してみるのも、効果的なアウトプットになります。
あるいは、勉強したことをプレゼンしてみると強度の高い体験になります。

 

さて、毎回このように冒頭で振り返りをしているのどうしてか。

 

ヒントは、やはりTVの番組中にあるCMの後に視られることです。
思い出してみてくれますか、CMの後にどんな光景が画面に広がっているか。

 

そうです、CM直前の場面をもう一度再生しています。
一本の番組の一部を少し巻き戻して聴衆に見せているのです。
あれを単に時間稼ぎだとできますが、実はある効果を狙っています。

 

その効果とは記憶の効果です。番組はCMがなければ、本来は一続きで見せるものです。でも、民放でCMは不可欠ですから、番組の途中にCMが入ります。入ると本来は一本の番組として視て欲しいものが寸断され、話の筋が見えにくくなり、印象が薄くなります。つまり、聴衆の心に残りにくくなります。それを補うために、場面の巻き戻しをします。バックトラックと言います。

 

そうすると、寸断された番組が、聴衆の心の中で一本のものとして再構成され、記憶されやすいのです。つまり、これがバックトラックの効果です。この効果を狙って、必ず冒頭では前回を少し振り返るのです。これは試験勉強で学んだことをしっかり記憶するのにも重要です。確かな記憶は、記憶の対象がバラバラなものより、繋がりのある対象の方が、より記憶されます。

 

例えば、英単語を覚えるのも、1語を一枚の紙に書いた単語帳で覚えるよりも、複数の単語を1つの文章で覚える方が、よりよく覚えられるのです。歴史の年号も単独でバラバラに覚えるよりも、出来事のつながり前後関係を押さえて一連の繋がりとして覚える方が効率的に記憶できます。これが繋げて覚えることの意味です。よりよい記憶は繋がり、つまり連想で成り立ちます。

 

バラバラに覚える方法が決して悪い訳ではありません。また、バラバラに覚えることが苦にならない時期がありました。過去形で書いたように、ある年齢までは、バラバラなことがすーっと頭に入る時期があります。野球チームの選手の名前や自動車の名前を簡単に覚えられ記憶です。辞書に書いてあるようなバラバラなことを覚える記憶です。意味記憶と言います。

 

ところが、思春期を境に意味記憶から別の記憶方法、体験的な記憶であるエピソード記憶に頭の仕組みが変わります。バラバラな対象を覚える効率が落ちる代わりに、体験的な記憶が伸びてくるのです。体験的とは一連の流れで、物語的と言っても良いでしょう。始め、中、おわり、とストーリーになっていて、そこには視覚、聴覚、身体感覚の体験がある。これがエピソード記憶です。

 

このエピソード記憶を駆動させるように、TVではCMの後にバックトラックをするのです。TV制作者は、視聴者に番組を繰り返し観てもらうには、番組を覚えておいて欲しい。では、どうするかと言えば、先に述べたように記憶のシステムを駆動させたいのです。バックトラックをして番組をエピソード記憶にするのです。この巧みさを是非とも試験勉強に活かしてみましょう。

 

どうするか。すでにお分かりだと思いますが、勉強を始めるときに数分でも良いですから前回の振り返り、つまり復習をするのです。と言うよりも必ず復習をやりましょう。このときに速射マインドマップを書いても良いですし、キーワードだけ紙に書き出すだけでも良いのです。とにかく、前回をバックトラックして今から勉強することと繋げる。これが効率的に記憶を作るのです。

 

更に言うなら、1つの単元が済んだら、そこで今まで勉強した単元全体を振り返りまとめて行くのです。その振り返りもマインドマップを使うことを強く言っておきます。マインドマップに書いたそれぞれのキーワードを眺めて、関係があるもの同士を矢印で関連づけます。また、関連のあるものに☆印や※印などを書き入れて視覚的に繋がりがあることを表示します。

 

また繋がりを作る別の方法が大事なので再録しておきます。マインドマップに書いた一連の枝が単元や章、あるいは意味として一塊なら、それを線で囲みます。見た目には大きな葉っぱに葉脈が走っているようにも見える絵ができるでしょう。そしたら、囲みを一言であわすイメージを考えます。つまり、囲みの中の情報を抽象化した絵を考えましょう。

 

実はこれ自体が大事な記憶のプロセスです。覚える一連の対象を眺めてそこに共通する要素を見つける抽象化は抽象されたものと、そこに従属する事項の間に階層関係を作ることです。抽象化された上位概念と一連の下位概念が意味の上で連結される訳です。ここにも意味における繋がり、連想が働きます。これはあれに繋がると言った大人の記憶システムにそっているのです。

 

その書き入れるイメージは、思い出す重要な手がかりにするために、見たときの体験の強度を上げるように印象深いものにします。具体的には、色鮮やかに、立体的に、動的に、書きます。面白い、可笑しい、ユニークな絵になっていれば感情も刺激され身体感覚への強度もあがります。そうすると、書いた部分を見たときに体験の強度が上がりますから、記憶されやすくなります。

 

そうすると、これまでバラバラで覚えていた、あるいは小さな固まりで覚えていた学習内容がより大きな固まりに再組織化されます。1つ1つのエピソードが一連の繋がりを持ってより大きなエピソードになり、よりよく記憶されます。またそうする方が脳は連想で記憶し学習を進めますから、試験の時に思い出す確率が高いです。マインドマップ試験勉強術の中で、これは重要です。

 

試験は何を問うているのか。端的に言えば、「山→川」と言った合い言葉を言るかどうかを問題で試しているとも言るでしょう。一級建築士の試験なら窓と言ったら、採光、換気、排煙、更に消防上の有効な開口部まで言葉を思い出し、その中から最適の合い言葉を解答できるかどうか試しているのです。つまりは、一種の連想ゲームとも言るでしょうか。

 

単に連想ゲームと言っても、そこにはもちろん論理もあります。論理も話の道筋で繋がりです。と見て行くと、試験勉強とは試験に出ることを繋げて行くことに他なりません。そのために、以前に学習したことを復習・バックトラックをして、新しい学習内容とつなげる。そして情報をより大きな固まりにする、つまりは再組織化する。

 

試験勉強とは、合格点を目指して学習内容を再組織化して行くこと、忘却によって壊れつつある記憶の組織を修復しつつ、そこに新たな学習対象を連結し再組織化して行く動的な営みである、と言るでしょう。文章を節に、節を章に、章を作に、と一連の物語を編み出す作家にも似て、試験勉強をしているあなたはなかなか素敵な存在かもしれませんよ。

 

こちらが、試験勉強にも役に立つ【マインドマップ基礎講座】です。
こちらで公開しているのが、マインドマップの書き方です。

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