2013年11月アーカイブ

本書はいい人になる事をやめるといい男になれるとして48の方法を提唱する。仕事と同時に恋愛の指南もしてくれる一石二鳥の面白い本である。

いい人とは善良で真面目で思いやりある。そうした性格に偏りすぎるために周りに利用されてつかれてしまう損をする人を指す。一方、いい男とは、時には悪と思える主張を通して生き生きと仕事や私事を楽しむ人だ。

そこまでをご覧になるとどうだろうか。勘のいい人は「なんだ、あの手の本だな」と思うはずだ。随分前には流行った「金持ちvs貧乏」と言った二項対立で書かれた本である。ご賢察の通りで、本書もその立ち位置から文章が48の具体的な項目に渡って展開する。

昨今は、真心や気遣い、あるいはおもてなしと言ったともするといい人志向がもてはやされる時流だ。その一方、そうした生き方に疲れを覚える方もいるだろう。なので、仕事や恋愛にお悩みの諸兄は、「いい人を止めていい男になれ」としたクリアカットな解決策を見付けることができるはずだ。

もちろん、本書はいい男をいい女と読み替えれば、女子の皆さんにも参考にできる点が多々ある。例えば、いい人との恋愛に疑問や疲れを感じているならば、いい男とそうでない人とを見分けて選択をしてそうした悩みを解決できる興味深い手がかりを得られるからだ。

とご覧になると「結局は、仕事に引っかけた恋愛本」なのと眉をひそめるかもしれない。しかし、売り上げ10万部を突破した本であり、お堅いビジネス書を刊行している中継出版が発行所だ。一見の余地は大いにあるだろう。

仕事や恋愛の疲れ解消として心に栄養ドリンクを与えるような本がこの「もう『いい人』になるのはやめなさい」である。

本書が提示する冒頭の観点は私たち日本人に親しみがあるはずだ。と言うよりも人類的に親しみを感じやすい世界観かも知れない。例えば光と闇、善と悪、暴君と革命家、と言った多数の物語や映画、演劇があるからだ。

 原題は「Immunity to Change」を読了。本書は個人にも組織にとっても有益な書籍だ。我々の心が密やかに隠し持つ巧妙な仕組みが浮き彫りにしている。変化に抗する心の免疫機構とその対処法が見通しよく提示している。とここまでご覧になっていかがだろうか。

なるほど、そうした概要をご覧になった諸賢は「また心のブレーキなどと称した啓発本だろう」と訝しく思われるだろう。だが、メンタルブロックなどと言ったファッショナブルな語彙で変化を阻む心理機構を簡単にくくった様な内容ではない。

そうではなくて、邦題が示すように個人だけではなくて組織の喫緊の課題となっている様な変化に対する潜在的なかつ巧妙な防衛機構を豊富な事例を交えて紹介している。もちろん、その事例は変化に対する免疫機構を解消し、個人や組織が達成したいと望む目標を叶えることを可能にする明確な段階を提示している。

その様な文言をすると「また一瞬で変われる」や「ガラリと変化をする」としたようなお手軽なビジネス書ご想像になっているかも知れない。だが、そうしたご想像は心地よい裏切りを覚えるだろう。と言うのは、望ましい変化を果たすには長期的に行動に基づいた取り組みが不可欠だと本書はハッキリと述べるからだ。

とは言え、変化に対する免疫機構に取り組んだ個人や組織の事例がこれまた事細かに記述してあることからして、腰を据えて行動ベースで取り組み行えば、自らの心にも潜む変化に対する免疫機構を乗り越えつつ、目標を達成できる事が容易に想像できる。

以上の様な文言をご覧になると、禁煙やダイエットの達成と言った極めて個人的な課題に本書は答えてくれないように思われるはずだ。しかし、そうした思いを心地の良い意外性に変わるだろ。各項をつぶさにご覧になると、それらの達成つまり個人的な変化に対しても本書が答えてくれることが分かるからだ。

仮に本書を個人的な課題に適応するとすれば次の様な課題に使えるはずだ。組織ばかりでなく個人の変化を阻止する心的な免疫機構の中核が下記の項目にも大いに寄与するからだ。

・減量や体脂肪のコントロール
・禁煙や断酒など強固な嗜癖の解消
・検定や資格の試験で合格を達成する
・片づけられない捨てられないと自宅の状況改善
・糖尿病や腎臓病を招くかも知れない食習慣の改善

一方、組織における個人の変化に関する次の様な項目に本書は望ましい変化に至る段階を提示してくれるはずだ。

・仕事の抱え込みが招く過労そして過労死の根本的な解決
・人間関係に感じる激しい感情やストレスの解消
・新しいキャリアアップを阻む権限委譲の改善
・部下の育成とそれに伴う組織の活性化

本書は以上のように個人にも組織にも変化を促す貴重な知見を豊富に与えてくれる。自己や組織の変革を喫緊の課題にしている人には必読の書である。

【人には言えない記憶の強化法】

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人は記憶によって生きるものだ」。その言葉は、アニメ攻殻機動隊(劇場版)の名セリフです(攻殻機動隊はハリウッド映画にも影響を与えた名作)。

あなたも、毎日の生活や仕事の中で記憶に関してそう実感しているかもしれません。ですから、記憶を確かに保つためにスマホなども活用するのでしょう。とは言え、そうするにしても記憶の強化法が使えた方が仕事も勉強も愉快です。以前にも書いたように、記憶の記憶は必要でしょうから。

仮にスマホやパソコンにあとで使う情報を記録させたとします。そうして、数時間、人は何処に何を記録したのか、その記憶は確かです。あるいは、記憶に自信のある人なら数日はそうさせた記憶があるはずです。ところが、人はそれを忘却します。

書いて時の如くに忘却とは忘れ去れることでした。そう言われるように実に困った事実が遠からず訪れます。何か工夫をしない限りは、忘却曲線に沿って急速に記憶が薄れるのです。覚えたはずのことでも、人は1日で七割以上の事を忘れるからです。

仮に、そうした事が仕事に関係していることでしたら、どうでしょうか。例えば「あの契約書のファイルどうした」と上司に催促されて困ることになります。それが大切なデーターだとしたら、嫌な汗をかくことになるでしょう。下手をすると仕事で生きることが危うくなる訳です。

忘却の仕組みは分かったとしても、記憶の記憶をなくしては本当に困ったことですよね。さて、そうした状況を解決してくれる方法とは何でしょうか。

そうした状況を解消できる方法が、マインドマップから見て取れます。マインドマップは、ご覧になったことのあるように変なつまり個性的なノート術です。一般的な四角四面のノートと違ってまるで樹木の姿をなぞったような書き方をします。それを見た感覚はよく言えば芸術的とも言えます。そう言えば聞こえが良いのですが、違和感のある変な絵だとも見えます。

ですが、その見え方が、実は記憶を強化するのです。当たり前で普通のことは、印象が薄くあまり記憶に残らないはずです。一方、変だったり風変わりだったりしたことは記憶に残っているはずです。例えば、エイリアンやターミネーター、マトリックスなど個性的な映画の一番面です。それに実感がなくても、頭から離れない空を鳥みたいにあるいはナウシカみたいに飛び回るような夢です。

変な、個性的なモノが記憶に残るのは、人の記憶を知らぬ間に強化する条件を持つからです。変わったモノを見聞きすると自然に人の意識は「なに」と集中します。誰でもが体験してきたように記憶を強化するための集中力が高まるのです。

あるいは、そうした対象に対して自然に興味や関心が高まります。すると、記憶に深い関わりを持つ脳が盛んに働きます。その証拠に普段と違った特有の脳波が計測できます。すると知らぬ間に記憶が強化されるのです。

要するに、記憶を強化しなければ印象深くなる、言い換えると変で心に引っかかる工夫をするのです。仮に、大切な情報を記録したので、覚えておきたい場面があるとします。

そうならば、その場面に変なイメージを付け加えます。例えば、ピンクの象と一緒にパソコンで貴重なデーターを保存した。その様な、異様な一風変わった想像を覚えたい事項に付け加えるのです。

もう一例言えば、大切な書類に変な漫画を書いた付箋を貼っておくのです。付箋に人には見せられないセクシーな絵を書いておくと実に効果的です。だって、そうした事が「見られたら困る」とそこで感情を高める働きをするからです。感情を伴う事柄は、面白い映画が長く記憶に残ることと同様に、記憶として強化されて簡単に長く覚えておけます。

そのセクシーな方法は、マインドマップのブザン先生も提唱されたことです。誤解の無いように言いますが、決してHなことをするのではありませんよ。そうすると、その特異な絵や想像が記憶の脳を盛んに働かせてくれます。簡単に知らぬ間に記憶が強化できるのです。

騙されたと思ってやってみませんか。きっと、その効果に驚きますよ。でも、コッソリですよ。変な誤解されますからね。
以前、空白の話しをしました。それはマインドマップを書いた後に残る真っ新の紙面のことでした。それを適切に残すことが情報整理や記憶強化に有益だった事です。

今回は、その空白とマインドマップの枝群とが作る境に注目します。その境に落書きをするような気楽さでほんの一手間を加える。すると格段に記憶の強化ができる方法をご案内します。

その方法は実に簡単です。空白と枝群との境界を線で囲み表現する事です。マインドマップの一連の枝が織りなす覚えたい箇所を境界線で囲みます。街境や国境と言った境界で様々なドラマが起きます。マインドマップの枝群と空白とが織りなす境界でも同様です。これからご紹介するように脳つまり記憶に関してドラマを楽しめます。

その境界は教科書の文章をそうするのと違って独特の形を表すはずです。ですからその形がその中に書いたことを思い出す有効な手がかりになります。例えば、囲みの形が動物や果物や乗り物などに思えたらどうでしょうか。たぶん、それに面白さやおかしさ、興味を感じてしまうはずです。それらを感じたことが、知らぬ間に記憶を強化してくれます。特定の感情が記憶を強化する仕組みを脳が持つからです。

そうする仕組みを活用することが実は記憶術の秘密でもあったのです。記憶の達人たちはある対象を覚える時に感情と記憶の関係を使っています。マインドマップを書いた仕上げに囲みを使う事はそうした事にも繋がるのです。

なるほど、「それで本当に効果があるのか」と疑問を持つかもしれません。例えば、学生時代にそうしたのに試験であまり点数を取れなかった。その様な望ましくない経験をしたことがあるからでしょう。その疑問は同様の経験をしたのでよく分かります。思い出せば悲しい事でしたね。

教科書の文章は囲みを施してもどこも四角っぽい似たような形になります。すると試験の時に要点を思い出そうとしても混乱してしまいます。仮に思い出せたつもりで解答をしたら間違ったのです。

その一方、マインドマップは一連の枝が自由に放射状に伸びます。するとその境界を表す囲みも自由で独特な形になるはずです。ですから、それぞれの独特な形が思い出す有効な手がかりになります。

加えて、囲みの中は多くの情報を含んでいますから役に立つのです。「うそだぁ」と思うでしょうがそうなるのはなぜでしょうか。囲みをした情報についてチャンキング効果が期待できるからです。チャンキングとは何かが塊をなしている状況を意味します。

例えば、794年に桓武天皇が行った遷都をどう覚えたでしょうか。3つの数字を塊として「鳴くよ」うぐいす平安京と記憶したはずです。そうでなくても電話番号を覚える時は知らぬ間に固まりで覚えます。そうして情報を塊として覚えられる仕組みがチャンキングでした。

さて、今までのまとめです。マインドマップで一連の枝が形成する独特の境界線を想像します。そうする時は子どもの頃に雲をみて想像を膨らませた要領を使うのです。すると、枝群の境界線に例えば犬や猫、象や恐竜を思い描ける事でしょう。

その想像を線でなぞるように独特の形で囲みます。するとその形が囲みの中身を簡単に思い出させてくれるのです。確かに、知的な人は「何をバカな」と思うかも知れません。しかし、これがやってみると実に面白いほど想起に効果を発揮します。繰り返しますが、独特の対象に感情や興味を抱いて覚えるのが脳だからです。脳はユニークなモノに対して思い出す手がかりを知らぬ間に作るのです。

境界つまり囲みの形と記憶との関係はこうです。記憶術とは過去に銘記したことを現在に思い出す技なのです。つまり思い出し術であり、思い出に有効な手がかりをつくる技術です。冒頭で紹介したメジャー記憶法も思い出す手がかりを多数作る方法でした。同様に囲みつまり境界を形づくることが記憶術として作用するのです。

以上のことから、境界の囲みが作る独特の形が想起の手がかりになります。例えば、あの象の様な塊の中にあったのは何だったかと思い出せます。囲んで塊にした多量の情報に簡単にアクセス可能になるのです。ですから、囲みを使う方法は資格試験の勉強にも使えます。

その勉強は合格を目指す人に沢山の事を覚える事を迫るからです。ですが、一手間かけて囲みをするだけでその要求に応えられるのです。チョッと落書きする事で境界線の秘密を体験してみませんか。


【マインドマップの余白が持つ威力】

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マインドマップは大容量の記憶媒体と言えます。例えば、本一冊分の情報をA4用紙1枚に収納できます。記憶したい情報を単語や記号、漫画に抽象化して書くからです。そうして記憶したい情報を余すところなく記録する事が可能です。

ところが、そうする事が思わぬ結果を招きます。その結果を招くのが紙面に余すところなく情報を書きすぎる事です。すると情報が逆に整理できなくなります。または覚えられるはずの事を覚えにくくなるのです。ビッチリと書きすぎることが互いの情報を目立たなくするからです。

情報整理は、「これとそれは違う」と仕分けることです。言わば、「これ」と「それ」との違いを際立たせる事と言えます。ところが、紙面に余すところがなくなると、互いの違いが見えにくくなります。要するに、ごちゃごちゃしすぎいて、何が何だか不明確になるのです。

記憶のコツは、覚える対象を目立つようにすることです。つまり視覚的に強調して覚える対象の強度を高めることです。「記憶=覚えたい対象に接する回数×接する時の強度/回」だからです。しかし、紙面に余白がないように情報を書きすぎると互いが目立ちません。結局、沢山覚えようと沢山書きすぎることが、書いたことを覚えさせません。

そうした事態は、文字を書き散らした黒板に新しく文字を書き込む様な事に似ています。あるいは、墨で濁った水に改めて墨汁をたらしても余り変化を目にすることができない事にも似ています。要するに、図になるものが氾濫して地と図とが区別できなくなるからです。

さて、以上から記憶や情報整理を効率よくする書き方とは何でしょうか。ご賢察のように紙面に情報を書きすぎないことです。マインドマップを書く時も余白を残すようにして書くのです。そのことは他のノート術でも、大切な要領として見聞きできます。

勿論、そうする事に反論があるはずです。例えば、紙面に沢山の情報をコンパクトに集積したい。本一冊の情報が1枚に収まるのだから1枚にみっちりと書きたい。試験勉強にマインドマップを使っていた頃は同様に思っていました。ですから、そう言う気持ちは、昨日の自分の事のようによく分かります。

でも、そうしている時は正直に言うと決して効率よく勉強できませんでした。紙面に余白を残さずに書きすぎることが情報整理、結局のところが記憶を妨げたからです。実は、記憶とは明確な情報整理から始まるのです。情報整理が効果的にできなければ記憶もできないのは当然と言えます。

逆に余白を残して書く様にしてから記憶や情報整理が上手にできたのです。
残した余白が紙面に書き付ける情報を目立つようにします。すると情報整理が効果的にできて、記憶も同様になるからです。以上の経験からも適度な余白を残してマインドマップを書くことは大切です。

マインドマップの余白が持つ威力とは記憶や情報整理を強力に援助する力です。例えば、ベートーヴェン交響曲第5番の冒頭は余白・休符から始まります。なのであの独特のメロディが印象深くなるのです。また、生け花は花と花との空間・余白に心を砕きます。すると、お互いの花が際たち生け花全体が美しさを放つのです。

同様の事がマインドマップで書き付ける情報にも言えるのです。余白が書き付けられた情報やそれらが織りなす情報群を明確にします。そうして、情報の整理や記憶を援助してくれるのです。以上のことからも、マインドマップは適宜に余白を残すように書きます。マインドマップの余白の威力が発揮できるのです。

その様に書けるようにする為にも大きめの用紙を使うことが役立ちます。特に記憶をする時にそうする事が大切なことは以前にご案内の通りでした。余白を残して覚えたいことを書き付けることが情報の場所を明確にします。すると、鮮明な記憶に関わっている脳の場所細胞を活用できるからです。

そうした事からも、マインドマップは大き目の用紙を使って余白を適宜に残して書きます。余白の残し方は人それぞれです。でも、余白を意識して書き続けると要領が分かってきます。今は分からなくても、マインドマップを書き始めることが大切でしょう。何事をするにしても、まずは「論より証拠」なのですから。




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