ブランチ: 2009年9月アーカイブ
マインドマップのブランチ。
その働きについてこれまでに様々な考えを述べていた。
具体的には、メタメッセージだと、また意識の輻輳を起こすのだと。
今回は、また別の前言とは異なる新たな所見を付け加えたい。
ブランチは、連想というアンカリングを中和している。
中和することで、型どおりの固定的な思考から人を解放している。
アンカリングは、NLPの用語だった。
その意味は、簡単に言えばある刺激が反応を起こすことだ。
その1つは、古典的なパブロフの犬として周知のことだろう。
その事例では、ベルの音が犬に唾液を出させていた。
つまり、聴覚的な刺激が反応を引き起こした。
加えて、アンカリングはその他の刺激も射程に入れている。
刺激は先の例のように聴覚だけではなく、視覚や身体感覚も含める。
反応は大きく内部と外部の2つにわたる。
内部は身体と表象に分かれ、外部は振る舞いや表情に表れる。
更に、内部の表象は、視覚や聴覚、身体感覚に細分できる。
アンカリングの事例をあげよう。
古い町並みの中に、昔懐かしい駄菓子屋を見たとしよう。
そこには、子どもの頃に口にした色とりどりのお菓子が目に映る。
すると、どうだろう。
子どもの頃の思い出が走馬燈のように心に映らないだろうか。
また、子どもの頃に口ずさんだ歌が心に再演されていないだろうか。
あるいは、幼心にワクワクした気持ちが満ちて来るかもしれない。
これが、視覚的な刺激と内部反応の事例だ。
内部反応としての表象が、視覚や聴覚、身体感覚に現れている。
さて、前置きとしてのアンカリングから話しを先に進めたい。
マインドマップの言葉は基本的に連想で書き進める。
そうするとき、何かの介入がなければどうだろう。
連想は連想ゲームのようについ定型のものになりがちだ。
つまり、考えは広がるものの、型にはまった言葉を書くことになる。
これでは、新たな発想を得るどころではないだろう。
1つの言葉が刺激になり別の言葉を誘う。
内部の反応であるが、これまたアンカリングだ。
アンカリングは船が錨によって定点に居続ける様に似る。
刺激と反応との関係が錨と船の関係に似て、一定なのだ。
ある言葉の刺激が別の言葉を誘うのだが、一定のパターン作られる。
もしそうなら、これが紋切り型で自由な広がりを欠いた思考だ。
そうなる原因の1つがアンカリングといえるだろう。
では、マインドマップのブランチを書くときに何が起こるだろうか。
そう、ブランチを書いているときに、連想の流れに変化が生じる。
1つの表現をすれば、連想の中に肯定的な忘却を招いている。
連想に「A→A1→A2→A3・・・→An」の流れがあるとする。
この流れはAの亜種が派生するアンカリングに支配されている。
ところがブランチを書くことがこの繋がりを緩める。
そこでアンカリングがきれて、新たな思考の広がりが始まる。
Aだけでなく、BやCといった違った要素が入り込む。
ここにもある種のアンカリングがあるかもしれない。
だが、最初の固定的な流れとは大きく違うだろう。
これはコンテクストを変えることと同義だ。
固定的な連想はアンカリングと述べた。
その好例がテレビCMのキャッチフレーズに散見される。
「元気ハツラツゥ・・・」であり、「ファイト一発・・・」だ。
その固定的な連想にブランチを書く時間が連想に中断を強いる。
最初の言葉から次の言葉が連想されるアンカリングの自動性を断つ。
定型の、つまりワンパターンの連想を肯定的に忘却させている。
このことを冒頭でアンカリングを中和すると申し上げた。
換言すれば、ブランチを書くことは連想に間をとることだ。
間をとることで、刺激と反応つまり連想と連想の関係を改められる。
そうして新たな連想、引いては発想を醸成しているのである。
ここに着目すれば、ブランチを書くメリットが鮮明に見えてくる。
アンカリングの中和と言うと分かりにくいが、要は間をとる。
それが、手間をかけてマインドマップのブランチを書く意義だろう。
こうして、自動的で定型的に考えるのではなくより自由に考えられる。
そのための装置としてマインドマップのブランチを書くのである。
マインドマップのブランチは思考に間を取れと教えているのだ。
ブランチを書く行為は人を自由な思考に導いているのである。
記、公認マインドマップインストラクター 近藤哲生
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