MindMap: 2009年9月アーカイブ
マインドマップの書き方について先日質問をいただいた。
「なぜ手間をかけてブランチを書くのですか」との問いだった。
忙しい時になぜ書くのか、と言うのが正直なお気持ちだ。
プライベートならまだしも、忙しい仕事で手間をかけるのは疑問。
なるほど、その視点からお考えには多いに共感できるところがある。
なかなか良い質問だったので、その回答をここにご案内したい。
確かに、ブランチ(枝状の線)を書かなくても良さそうだ。
しかし、ブランチはやはり書いた方が良く、結果的に得をする。
理由は3つある。
第一に、ブランチを書くことで思考プロセスを表示できる。
まず、ブランチを書かないとどうなるか。
セントラルイメージの周りに思いついた言葉を書き散らす。
書いている途中や、書いて数時間は自分の考えを再現できる。
だが、時間がたつと書いた過程に忘却が訪れる。
自分が何からはじめて、どう考えたのか思考の過程を想起できない。
数日後に見なおしたときには、暗号メモを見る気分になるだろう。
逆に、ブランチを書けば次のようなことが分かるだろう。
最初に書いた枝の言葉から自分が何をどう連想したか。
最初に書いた主張をどんな事実と論拠で支えようとしたか。
最初に書いた抽象的な概念をどのように具象化したか。
以上をブランチの繋がりを追うことで思い出せる。
つまり、連想や論理や抽象化など思考プロセスを再現できる。
再現できれば、そこから新たな思考を展開できる可能性も開ける。
第二に、太さの変化や曲線でブランチを書くことで連想を豊かにする。
ブランチは、根本を太く先端を細く線の幅を変えつつ、曲線で描く。
こうすることで、視覚的な変化が動きや流れなど新たに身体感覚を誘う。
赤い色が情熱を、青い色が落ち着きを感じさせるのと同じだ。
つまり、ここに共感覚のプロセスが発生する。
先の枝に書いた言葉からだけの連想に共感覚が重なる可能性がある。
こうして、言葉から言葉への尻取り的で短絡的な連想に幅が出る。
連想が単なる連想ではなく深みのあるものにもなるだろう。
連想に幅や深みがもたらされるのだ。
第三に、発想の飛躍がもたらされる。
これは、第二の共感覚による影響に似ている。
だが、それ以上の思考プロセスをここに見ることができる。
次の言葉を書こうとするとき、尻取り的な言葉の連想が既に始まる。
だが、ブランチを書くことで、その連想に間が空く。
間が空いた思考プロセスに意識の輻輳(サイドバンド)が起こる。
一説に、右脳は毎秒一千万ビットの情報を処理している、と言われる。
その情報が、ブランチを書くことによる中断で、左脳に流入するのだろう。
その流入がウェインガー博士が言うところの意識の輻輳だ。
ブランチを書いているとき、中断で退屈した脳は勝手なおしゃべりをする。
そのおしゃべりが意識の輻輳だが、これが発想の飛躍をもたらすことになる。
ウェインガー博士が提唱するDEAM手法と同様のことが起きている。
DEAMは、ある課題に対する自問と回答の記録を繰り返す。
またはその自問の途中で自己回答を素早く記録する。
同様のプロセスがブランチを書くことで起こる。
ブランチを書くことは、自問することと似てくる。
だからDEAMと同様のことが起きていると述べた。
こうして言葉からの単なる連想ではなく、意外な言葉が新たな枝に載る。
なぜその言葉を書くのか分からないが書いてみたら斬新なもの言いとなる。
この流れから、アイディアがそこに書かれるように、ブランチをわざわざ書く。
更に言うなら枝を書き終わってから、言葉を書くことにこだわらない。
枝を書いている途中で、閃きがおりてきたら、その瞬間に言葉を書くことだ。
閃きの言葉を書いた後に、途中にしていた枝を書いても良いくらいだ。
枝を書くことは目的ではなく、あくまで思考を展開する補助手段だからだ。
以上、3つの理由から、ブランチは書いた方が良い。
閃きも得やすくなるので、アイディアが求められる今だから得になる。
記:公認マインドマップインストラクター 近藤哲生
お知らせです。
近藤哲生事務局の西島千穂です。
多角的な視点からマインドマップ基礎講座を近藤が展開します。
9月、10月とマインドマップ基礎講座にも近藤が登壇しますよ。
http://www.kondotetsuo.com/mindmap/seminar/MindMap_Basic/index.html
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